携帯電話用アンテナインジケーター...page.1/3
概要
携帯電話のアンテナ先端に取り付けたLED(発光ダイオード)を光らせるものです。既に携帯電話のアクセサリーとして市販されておりますが見た目を気にしなければ自分で製作した方が安く仕上げることが可能です。仕上げは作るあなたの腕次第です。
回路
回路の説明
アンテナ先端から発射される電波(電磁波)をダイオード:Diで検波し、発光ダイオード:LEDを光らせています。
検波を行うダイオード:Diには、「ショットキ・バリヤ・ダイオード」を用います。ここに一般のシリコンダイオード(小型のスイッチングダイオードなど)を使っても十分な検波出力を得ることができません。
尚、今回製作したLEDには魅惑?のブルーLED(青く光るLED)を使ってみました。
自分の携帯電話は800MHzタイプのものですが、1.5GHzタイプでも光ることを確認しました。
尚、PHSでは光りませんのでご注意下さい。
用意する部品
品名 | 規格 | 個数 | 備考 | 予算 |
小信号用 ショットキ・バリア・ダイオード |
1SS108 | 1個 | 部品の外観を参照 | \80 |
ブルー発光ダイオード | E1L51-3B | 1個 | 部品の外観を参照 | 約\500 |
単線のリード線 | 芯径0.5mm | 少々 | \50/m | |
熱収縮チューブ | 径1.5mm | 少々 | \100/m | |
熱収縮チューブ | 径5mm | 少々 | \120/m | |
熱収縮チューブ | 径8mm | 少々 | 作り方を参照 | \120/m |
部品の外観
小信号用ショットキ・バリヤ・ダイオード
一般のシリコンダイオード(スイッチングダイオードなど)を用いても効率が低く光らせることはできません。必ずショットキ・バリヤ・ダイオードを使用して下さい。
左の写真では異なるメーカーのショットキ・バリヤ・ダイオードを3本写しています。「用意する部品」には「1SS108」となっていますが、小信号用ショットキ・バリヤ・ダイオードであればどれを使用しても構いません。ちなみに、左の写真で上から1SS99,1SS108,1SS174になっています。右の写真は大きさを表わしたものです。参考にして下さい。
全てのダイオードは2つの電極があり、アノード電極とカソード電極となっていて、アノードからカソードにしか電流を流さない部品です。
大半は現物にカソードマークがついています。このようにダイオードには極性がありますので組み立て時は向きに注意して下さい。
上記の左の写真では全て左側の電極がアノードとなっています。
上図は基本的なダイオードの使い方です。電池のプラス・マイナスを間違えてはいけない部分や、電流の流れる向きを一定にしなければならない部分にダイオードを接続します(ダイオードの整流作用)。
ここで、上図の左のように電流が流れる順方向に接続(順方向接続)する場合、一般のシリコンダイオードでは約0.6Vの電圧降下を生じます。すなわち、電池の電圧が3Vである場合、電球にかかる電圧はダイオードの順方向電圧降下の約0.6Vを引いた2.4Vとなります。
ショットキ・バリヤ・ダイオードは、この順方向電圧降下が0.2V〜0.3Vと極めて低いのが特徴です。
従って、今回のセットにショットキ・バリヤ・ダイオードを用いることで高い効率の検波出力が得られるのです(LEDの光量が高い)。
ショットキ・バリヤ・ダイオードの欠点は、逆方向接続に対する耐圧が低いということで高圧回路には使われません。しかし、順方向電圧降下が小さいことから高効率を求めるスイッチングレギュレーター(パソコンの電源部はほとんどスイッチングレギュレーターです)に多く使用されます。
今回使うショットキ・バリヤ・ダイオードはお店の人に単にショットキ・バリヤ・ダイオードを下さいというだけでは通じません。種類が豊富でスイッチングレギュレーターにも使用する大型のものもあるからで、先の1SS99,1SS108,1SS174をほしいと伝えるか、又は小信号で使用するショットキ・バリヤ・ダイオードがほしいことを伝えて下さい。
尚、1SS99については既に製造中止のため入手不可と思います...
発光ダイオード(LED)
発光ダイオードはLED(ライト・エミッティング・ダイオード)とも呼ばれています。名前の通りダイオードの仲間でアノードとカソードの2つの電極があります。アノードからカソードの方向に電流を流す、すなわち順方向に電流を流すと光ります。右の写真を見ると足の長さが異なっているのが判ると思いますが、足が長い方がアノード電極となります。逆に接続すると光りませんので組み立て時は取り付け方向に注意します。
発光ダイオードは光る色が決まっており、購入する際は光る色を指定します。赤,緑,黄,橙,があり、その他に高価ですが青や白もあります。
使い方は順方向となるように直に電池に接続してはダメです...!(すぐ壊れます)
電源電圧から、発光ダイオードの順方向電圧降下分を引き、5mA(ミリアンペア)〜30mAとなるように直列に抵抗を接続します(この抵抗をブリーダー抵抗という)。
しかし、今回作るものは抵抗は要りません。さほど電流が取れないからです。
尚、今回は外径が5mmの青の発光ダイオードを使いましたが好みのものを使用して下さい。(青の発光ダイオードは高価ですから...)
また、極力、高輝度タイプのものを使って下さい。
今回使ったものは豊田合成社のE1L51-3Bという青の発光ダイオードで1500mcdの明るさです。下の写真は電池で光らせた様子です。
リード線(単線)
リード線は写真にあるように被服を剥くと細線が束ねてある多芯のもの(写真の左)と、少し太目の1本の線からできている単線のもの(写真の右)があります。
今回は写真の右のように導線の太さが0.5mmの単線のものを使いました。それは、多芯のものは「ふにゃふにゃ」して柔らかいものが多いからです。実際に作ってみると判るのですが、ふにゃふにゃしていると携帯電話のアンテナにセットしずらいです。
熱収縮チューブ
このチューブはドライヤーなどで熱を加えると径が縮むものです。自分の携帯電話のアンテナの色に合わせて購入して下さい。透明なものもあります。
「用意する部品」の中に径8mmの熱収縮チューブがありますが、これは自分の携帯電話のアンテナの太さに合わせて下さい。縮みますので実際の径より2mm〜4mm程度太いものを購入するといいでしょう。
尚、写真のように短くは購入できません!どこの店もメートル単位で売られています。
用意する部品はたったこれだけです。