FMワイヤレスマイク...page.1/4


概要

FMワイヤレスマイクとは、マイクで拾った音を無線(ワイヤレス)でFMラジオへ電波で飛ばす発信機です。
トランジスタを2石(2個)使用した超簡単な物に仕上げました。
大変高感度ですが盗聴器として使用するのはタブーです!
野鳥のさえずりや虫の鳴き声などを聴くには重宝するでしょう。



回路




回路の説明

FMとは周波数変調(フリーケンシー・モジュレーション)のことで搬送波の周波数を音声周波で変化させるものです。従って、回路図での10pF(ピコファラッド)とコイルの同調回路にバリキャップダイオードを用いるのが一般的ですが、今回は部品の入手も容易で誰が作っても失敗しないよう簡単なものとしました。
回路図で左のトランジスタが発振回路を構成しています。コイルの途中から5pFのコンデンサを通り次のトランジスタに入っていますが、この2個目のトランジスタは発振回路を安定させるために挿入されています。
尚、発振回路を構成するトランジスタのベース抵抗を47KΩ(47キロオーム)と大きくし、マイク入力インピーダンスを高くして高感度に仕上げてみました。



用意する部品

今回のセットではNo.2というプラスチックケースを使用し、それに収めました。全く同じプラスチックケースにこだわる必要はありません。都合の良い入れ物に収めて下さい。
また、電池ボックスから回路への電源スイッチを設けていませんので必要であれば用意して下さい。
品名 規格 個数 備考 予算
スズメッキ線 径1mm 1m コイルに使用 \50/m
スズメッキ線 径0.6mm 1m 配線に使用 \50/m
ビニールコード 普通のもの 2m 配線やアンテナに使用 \50/m
コンデンサマイク 2Pのもの 1個 \200
トランジスタ 2SC1815 2個 ランク問わず @\60
1/4Wカーボン抵抗 47KΩ(黄,紫,橙,金) 2本 @\10
1/4Wカーボン抵抗 1KΩ(茶,黒,赤,金) 1本 \10
1/4Wカーボン抵抗 100Ω(茶,黒,茶,金) 2本 @\10
セラミックコンデンサ 5pF 2本 @\30
セラミックコンデンサ 10pF 1本 \30
セラミックコンデンサ 0.001μF(102) 1本 フィルム型不可 \30
セラミックコンデンサ 0.1μF(104) 2本 フィルム型不可 @\30
ユニバーサル基板 サンハヤト ICB-288G 1枚 大きさ47mm*72mm \200
電池ボックス 単4電池1本用 1個 \100
電池 単4電池 1本 アルカリ電池が良い \120
プラスチックケース No.2 1個 高さ20mm
幅90mm
奥行き60mm
\150
ビス・ナット 3mm 長さ10mm 4組 基板をケースに固定
両面テープ 少し 電池ボックスの固定


* 部品点数が多いように感じますが集めると実際は少ないものです。これで多いと感じたり難しいなどと思っていると今後の高度なセットもイヤになってしまうかもしれません。
あきらめないで下さい。


部品の外観

コンデンサマイク
コンデンサマイクは3極(3P)のものと2極(2P)のものが売られています。
今回は必ず2Pのものを購入して下さい。真ん中の写真(マイクの裏側)をみると2極あるのが判ると思います。
尚、コンデンサマイクには極性がありますので配線の際は気を付けます。
また、音が入るところは黒いフェルトが貼られていますが(左の写真)防塵のために付いていますので絶対に取らないで下さい。取ったからといって感度は上がりません。

トランジスタ
トランジスタは3本の足を持った電流増幅素子です。3本の足には名前が付いており、ペース(B),コレクタ(C),エミッタ(E)となります。
今回使うトランジスタは2SC1815というものでもっともポピュラーで何処のパーツショップにも置いてあるはずです。現物には「2SC1815」ではなく「C1815」と印刷されています。
また、この2SC1815には電流増幅度(hfe)の違いで、O(オレンジ),Y(イエロー),GR(グリーン),BL(ブルー)の4ランクがありますが今回はどれでも結構です。写真では「Yランク」を写しています。
トランジスタはピンセットで右の写真のように足を5mm間隔で広げておきます。


1/4WWカーボン抵抗
抵抗器とは電流を流れにくくする働きをもっています。
今回用意する抵抗は全て1/4Wタイプのカーボン抵抗で次のとおりです。

・47KΩ(黄,紫,橙,金)...2本
・1KΩ(茶,黒,赤,金)...1本
・100Ω(茶,黒,茶,金)...2本

抵抗値はカラー(色)で表しています。

セラミックコンデンサ
今回用意するコンデンサは以下のものです。

・5pF(5と表示)...2個
・10pF(10と表示)...1個
・0.001μF(102と表示)...1個
・0.1μF(104と表示)...2個

尚、コンデンサの耐圧は50V以下で結構です。
コンデンサの表示(102とか104と書いてあるもの)の見方については3石ラジオのページを参照して下さい。
0.1μFでは25V品が入手できればスマートに仕上げることができます。事情により小型化して製作される場合は、0.1μFを積層セラミックコンデンサにすると良いでしょう。
セラミックコンデンサはほとんどのものが茶色をしていますが中には下の写真(写真)のように緑色をしたものもあります。

また、上左の写真のようにリード線が長いものを選択しましょう。これは、今回ユニバーサル基板で作製し、部品のリード線を利用して配線を行なうためです。
お店によっては、リード線が1センチもない物も売られています。


ユニバーサル基板
今回使用する基板は部品のレイアウトが自由なユニバーサル基板を用います。右の写真はサンハヤトのICB-288Gというもので沢山の穴が開いていますが、穴と穴の間隔は2.54mmです。この穴に電子部品を挿入して裏の銅箔面に部品の導線を折り曲げ、配線を行っていきます。
* ゲルマニウムラジオの項も参照して下さい。

基板の大きさは47mm*72mmで他にもいろいろな商品がありますのでICB-288Gにこだわる必要はありません。

その他
・単4電池1本用の電池ボックス
・単4電池1本
・No.2プラケース
・ビス,ナット(3mm)
・ビニルコード
・太さ1mmのスズメッキ線を1メートル

* 電池にはアルカリタイプをお勧めします。今回の回路ではクリスタルを使わないため電源電圧の変動により発振周波数も変動します。アルカリ電池は使い切るまで電源電圧の変動が少ない特徴があります。マンガン電池では使用時間とともに電圧も比例して低下し同時に発振周波数も変動してしまいます!
* コイルはスズメッキ線を巻いて自作します。

全パーツ
集めるのはたったこれだけです。


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