ゲルマニウムラジオ...page.1/4
概要
電池などを使わず、電波のエネルギーだけで聞くラジオです。
当然、音は小さくて「何かきこえる」という程度になります。
「ゲルマニウムラジオ」のゲルマニウムとはゲルマニウムダイオードのことで検波部に使っています。検波とは高周波信号(電波)から音声信号に変換することです。ゲルマニウムダイオードができる以前は「鉱石ラジオ」というラジオがあり、検波には鉱石が使われていたようです。
昔は製品として売られていたラジオでもあります。簡単なので是非作ってみて下さい。
当ホームページで「ゲルマニウムラジオ」のご紹介は今回で3回目となりますが、今回は低予算と小型化を図りました。
回路図
ラジオとしてこれ以上省くことの出来ない回路です。
回路の説明
長く張ったアンテナから電波が入り、バリコン(コンデンサ)とコイルで構成される同調回路(共振回路)で特定の電波だけを拾います。
電波は高周波信号ですから直接イヤホンをつけても何も聞こえませんので、検波回路で音声信号に変換します。ここにイヤホンを付けて放送を聞きます。
イヤホンを鳴らすエネルギーはアンテナから入る電波になります。
従って高く長くアンテナを張りませんと聞こえないことがあります。
また、アースはゲルマニウムラジオには不可欠です。
このことは実際に作ってみて体験して下さい。そして何故、アースの有無で感度が全く異なるのか考えてみて下さい。
部品リスト
電子部品は購入するお店で異なります。一つ一つが最も安いお店を探して下さい。
品名 | 規格 | 個数 | 備考 | 予算 |
ゲルマニウムダイオード | 1N60相当 | 1 | シリコンダイオードは使用不可 | \80 |
マイクロインダクタ | 330μH | 1 | \100 | |
AM用単連バリコン | 1 | つまみも一緒に購入のこと | \280 | |
クリスタルイヤホン | 1 | プラグなし | \180 | |
小型端子 | 4 | 部品の概要の写真を参照 | @\30 | |
ビニルコード | 10m | ホビー用 | \20/m | |
すずメッキ線 | 径0.5mm | 1m | 使うのは10cm以下 | \20/m |
プラスチックケース | 1 | 70mm*45mm*20mm | \150 |
部品の概要
ゲルマニウムダイオード
ダイオードの大分類は「シリコンダイオード」と「ゲルマニウムダイオード」の2種類があります。ゲルマニウムラジオでは必ず「ゲルマニウムダイオード」を使います。多く出回っている「シリコンダイオード」は使えません。
お店の人には「ゲルマニウムダイオード1N60の相当品を下さい」で通じます。
ゲルマニウムダイオードの概観は殆ど上の写真のようにガラスの中に素子が封入されています。そして必ず帯びがマークしてあります。このマークはカソードマークといってカソード電極を示しています。このことはシリコンダイオードも同じです。
ダイオードという部品は2極から成る部品でアノード電極とカソード電極があります。アノードからカソードへ電気を通しますが、カソードからアノードには電気を通さない働きがあります。
このようにダイオードは一方向にしか電気を通さない整流作用のほか、検波作用、スイッチング作用に使われています。
このことから判るようにダイオードは取り付ける向きがあるので使うときは間違えないように注意する必要があります。
ただし、ゲルマニウムラジオではどっち向きに取り付けても構いません。
参考として下図にダイオードの概観と図記号を記します。
マイクロインダクタ:330μH
コイルのことです。言葉からして小さなコイルだとイメージして下さい。
お店のひとには「ラジオで使うような小型のコイルで330マイクロヘンリーを下さい」または「マイクロインダクタで330マイクロヘンリーを下さい」と言って下さい。
私は左の写真のように抵抗に似た形状のものを使いましたが、右の写真のように購入するお店で形状や色はまちまちです。入手できるもので構いません。
このコイルはバリコンと組み合わせて同調回路を構成します。
バリコン
バリコンとは「バリアブルコンデンサ」の略で可変容量コンデンサのことです。シャフトを廻すことでコンデンサの値が変化する部品です。
ここではAMラジオ用の単連バリコンを使います。売られているAMラジオ用の単連バリコンの概観は殆ど上の写真と同じだと思います。必ずツマミも購入して下さい。また、バリコンをケースに取り付けるためのビス2本とツマミを固定するビス1本の計3本のビスが有ることも確認しておいて下さい。
お店の人には「AMラジオで使う単連のバリコンとツマミを下さい」で通じます。
クリスタルイヤホン
市場に出回っているイヤホンはマグネチックイヤホンのため使えません。
必ずクリスタルイヤホンとして下さい。クリスタルイヤホンの概観は上の写真の通りです。
プラグ付きとプラグ無しのものが売られていますがプラグ無しのものを選択します。
クリスタルイヤホンは結晶に電圧を加えると外形が歪む「圧電効果」を利用したイヤホンです。電話機や腕時計その他電子機器で、「ピッ」とか「ピーッ」、「プーッ」と鳴るものの多くは「圧電効果」を利用したものです。
しかし、クリスタルイヤホンとなると電子部品屋でしか入手できません。
小型端子
頭のツマミを締め付けることでリード線を接続する部品です。ターミナル端子とも言われます。
アンテナとアースの接続で2個、クリスタルイヤホンの接続で2個の計4個使います。
色分けした方がいいでしょう。
私はアンテナリード線に赤、アースリード線の接続に黒、クリスタルイヤホンの接続に白2個としました。
安価なもので充分です。
ビニルコード・すずメッキ線
ビニルコードはアンテナやアースとして使います。10メートル以上は欲しいところです。
すずメッキ線は本体の配線に使いますがビニルコードを利用すれば決して必要なものではありません。
プラスチックケース
フタも含めた大きさは70ミリ*45ミリ*20ミリで、電子部品屋で売られています。
今回はフタは加工しません。
また、ケースは自分で適当に選んでも楽しいものです。ただし、金属ケースは避けて下さい。