LCメーター...page.1/7
はじめに...
LC meterでWEB検索すると海外のサイトで多くの回路図をみつけることができます。
ほとんどがコンパレーターIC:LM311を使ったフランクリン発振回路になっているようです。
多くの国で紹介されていて、これがスタンダードだと私は考え、重要な部分は変更せずに真似てみました。
よって、掲げる回路にオリジナル部分はありません。しかし、作る貴方のオリジナルなLCメーターに仕上げられるようにプログラムしてみました。
LC meter Links
製作にあたり様々なサイトを参考にしました。とても感謝しています。
http://hw.cz/constrc/lc_metr/
http://electronics-diy.com/lc_meter.php
http://xavier.fenard.free.fr/LCMeter.htm
http://www.sprut.de/electronic/pic/projekte/lcmeter/lcmeter.htm
http://www.qsl.net/iz7ath/web/02_brew/21_LCMeter01/
http://www.aade.com/LCinst/lcm2b.htm
http://www.antrak.org.tr/gazete/111998/barbar.htm
http://f6bon.albert.free.fr/lcmetre.html
http://ironbark.bendigo.latrobe.edu.au/~rice/lc/
http://www.cqham.ru/lcmeter3.htm
http://www.henteko.org/fswiki/wiki.cgi?page=henteko.org【henteko.org:AVR、PICデバイス双方でLCメーターを製作されています】
概要
コンデンサとコイルで発振するコンパレーターICで構成したフランクリン発振回路を基に、発振周波数の変化で未知のコンデンサ又はコイルの値を算出するものです。
高周波回路の実験で自作コイルや、面実装のコンデンサ、コイルの測定で役立つ測定器になると思います。
また、後述するEEPROMの変更とハードウェアの接続変更で、貴方オリジナルのLCメーターに完成できます。
決して正確な測定器ではありませんので、電子工作(その他の趣味)の使用に限定して下さい。 参考として、実際に測定した例を最後のページに掲げます。 |
回路図
IC1 | PIC16F886-I/SP | C1,C2 | 22pF(セラミック)50v | |
IC2 | LM311N | C3 | 0.1μF(積層セラミック)50v | |
IC3 | TA4805S | C4,C5 | 1000pF(ポリプロピレンフィルムG級又はF級)50v | |
D1 | 1N4148 | C6,C7,C8,C10 | 10μF(電解コンデンサ)50v | |
RY1 | 5V小型リレー:G5V-1 | C9 | 0.33μF(積層セラミック又は小型積層フィルム)50v | |
Xtal | HC49US:10MHz | R1,R2,R3,R4,R5 | 1/8W 10KΩ | |
L1 | 100μH | R6,R7,R8 | 1/8W 100KΩ | |
SW1 | モーメンタリータイプのプッシュスイッチ | R9 | 1/8W 47KΩ | |
SW2 | 6Pトグルスイッチ | R10 | 1/8W 1KΩ | |
SW3 | 2P又は3Pトグルスイッチ | R11 | 1/8W 6.8kΩ |
回路の実験と仕組み
回路の動作については前記のLC meter Linksで詳しい説明がなされていますが、私も同様に簡単な回路図を使って未知のコイル、コンデンサを算出する数式を掲げますね。
基本はコンパレーターICで構成したフランクリン発振です。
この回路で出力される発振周波数は、
で求められます。これはLC共振周波数を求める公式です。
実験したところおおよそ上記の公式通りに発振します。
周波数の範囲は数KHzから2MHz程度となりました。LCメーターの発振回路として広く用いられているのが納得できます。
しかしながら、コイル:Lの直流抵抗によって僅かに異なってきます。
これを克服するには時間を要したり製作を困難と化すので今回は完全に無視して製作を進めてみることにします。
それでも趣味に使う測定器として充分使える完成となります。
コンパレーターIC:LM311から出力される波形は写真のとおりで、電源電圧をほぼフルスイングした方形波になりました。
LM311は比較的高速動作が可能なコンパレーターICですから予想通りでしょう。この程度の波形であればデジタルIC等と直に接続できます。
この発振回路を使って未知のコイル、コンデンサを算出します。
上図の回路で発振させた周波数:F1と、周波数:F2はそれぞれ次の式で求まります。
この式@と式Aを使ってCrefを導くと次の式になります。
Crefが判ればLrefも次の式で求められます。
いきなり式が導かれているので私なりに例としてCrefを導いてみますね。
このことから、Ccalに高精度な値のコンデンサを用いれば、Cref、Lrefを正確に求めることができます。
今回の回路ではCcal(C4)、Cref(C5)に誤差2%の1000pF、Lref(L1)に100μHを使いました。また、Ccalと算出したCref、Lrefはプログラムで確認できるようにしています。
更に神経質な方のためにCcalを調整できるようにしました。
次に、CrefとLrefを求めた後、下図のように未知のコンデンサ:Cxを接続してみます。
この回路で出力される発振周波数:F3によって、未知のコンデンサ:Cxは次の式で求まります。
同様に下図のように未知のコイル:Lxを接続した回路で出力される発振周波数:F3と、未知のコイル:Lxは次の式で求まります。
数学好きな方は確認してみてね。
周波数カウンタの関数は1秒間のパルス数ではなく、0.5秒間のパルス数を2倍しました。1秒のサンプリングでは気が短い人はイライラするでしょ?
FLOAT型の算術結果は上位4桁だけしか取り出していないので、表示の結果はほぼ同じですから問題ありません。