ステレオアンプ...page.6/9
4.パワーICの加工
パワーIC:TA8201AKは放熱しなければ本来の機能を発揮しません。
放熱には放熱器(ヒートシンク)を使いたいところでしたが、ここで紹介する(したとする)同じヒートシンクが、全ての方が入手できる筈がないと判断し、ローコスト化も含め、以下の方法でIC:TA8201AKを放熱することと致しました。
ここで述べるパワーIC:TA8201AKの加工とは、
@ICをケースに取り付けるためのアルミ平角棒の加工
AICのリード線を折り曲げること
以上の2つです。
このことについて詳しく記述したいと思います。
@アルミ平角棒の加工について
オーディオパワーIC:TA8201AKは熱を発生しますので、放熱して使用しなければ本来の機能を発揮できません。
今回はICをケースの底面に取り付けることで放熱をします。
従って、ICはケース底面に平行に密着させる必要があります。
プリアンプの基板と同様に、パワーアンプの基板も1枚の基板にステレオ(2回路)分を搭載したいので、IC:TA8201AKを2個取り付けることになります。
問題になるのが、2個のIC:TA8201AKを水平を保って基板に取り付ける必要があるということです。
水平が取れていない状態でハンダ付けした後に、ICをケース底面にネジを締めつけると、ICや基板にストレスが生じて、ICをハンダした部分が剥がれてしまうことになります。
しかし、2個のIC:TA8201AKを水平に並べてハンダ付けすることは非常に困難なことです。下図参照。
そこで、あらかじめ2個のTA8201AKを
水平に保って一体化させてから、基板にハンダ付けしようとしたわたけです。
その、一体化させる媒体にアルミ平角棒を利用した次第です。2mmから3mmの厚みのアルミであれば作業中に容易に変形することはまずないでしょう。
アルミ平角棒には電子パーツショップ(シャーシ部門)やDIYセンターで多くの形状が販売されています。
当ページで紹介したものは厚み2mm〜3mm、幅20mmのものです。このようなアルミの平角棒は直ぐに見つかるでしょう。
必要な長さはユニバーサル基板の長手方向である70mmもあれば充分です。
※ タカチ:H-55は厚み2mm、H-56は厚み3mmのいずれも幅20mmのアルミ平角棒です。1メートルのバラ売りです。 ※ 70mmの物はお店の人に用意してもらえません。自分で金ノコで裁断します。
70ミリに切ります。
用意したアルミ平角材にTA8201AKを取り付けるための3ミリ(3mm〜3.5mm)の穴を2つあけます。
2つの穴の間隔は33ミリです。穴をあけ終わったら必ずバリを除去しましょう。
TA8201AKを取り付けます。ネジを軽く締めますが、この時にTA8201AKをユニバーサル基板の穴に通しておくといいでしょう。
AICのリード線を折り曲げることについて
次の工程のパワーアンプ基板の製作では、TA8201AKは基板のハンダ面に取り付け、シャーシにはTA8201AKのビス穴だけで回路基板ごと固定します。回路基板は立てて取り付けられることになります。
前後しますが、どのように作ったか下の写真を見ておいて下さい。
上写真のように取り付けた理由は、作り易さからです。
また、TA8201AKをハンダ面に取り付けた理由は、もし、部品実装面に取り付けるとTA8201AK以外の部品が邪魔でビス・ナットが締めつけられないからです。
問題なのは回路基板とTA8201AKの結合部分です。結合の方法には下の2通りが思いつきます。
どちらが作業しやすいかは、作る貴方が判断して下さい。
左の方の、ICのリード線を基板の穴に通すとハンダコテが届きにくくて、万一、ハンダによりショートすると修復困難が予測されます。
右の方の、ICのリード線を直角に曲げる方法は、ハンダしようとする部分が良く見えて、作業し易いことは一目瞭然です。
私は、右の方の、ICのリード線を直角に曲げる方法をお奨めします。
ICのリード線を曲げるにはラジオペンチで1本1本を丁寧に曲げます。ICの根元で折り曲げないようにして下さい。