小型FMワイヤレスマイク...page.2/4
部品リスト
以下のパーツは秋葉原で直ぐに集められると思います(中央通りを何度も往復しなくて済む)。
念のために、次の「部品の概要」を見ておくことを奨めます。
通信販売や神奈川県にお近くの方は「サトー電気」で全て揃えることができます。
品名 | 規格 | 個数 | 備考 | 予算 |
FET | 2SK192A-Y | 1 | 東芝 | \30 |
トランジスタ | 2SC2458-Y | 1 | 東芝 | \30 |
〃 | 2SC1906 | 1 | 日立 | \60 |
バリキャップダイオード | 1SV101 | 1 | 東芝 | \60 |
コンデンサマイク:Φ約9mm | 2端子タイプ | 1 | \60 | |
7mm角FCZコイル | 7S144 | 1 | FCZ研究所 | \170 |
マイクロインダクタ | 10μH | 2 | 抵抗に似たタイプ | @\60 |
1/4W炭素皮膜抵抗 | 10Ω | 1 | 茶・黒・黒・金 | \10 |
〃 | 1KΩ | 1 | 茶・黒・赤・金 | \10 |
〃 | 2.2KΩ | 1 | 赤・赤・赤・金 | \10 |
〃 | 10KΩ | 1 | 茶・黒・橙・金 | \10 |
〃 | 100KΩ | 2 | 茶・黒・黄・金 | @\10 |
50Vセラミックコンデンサ | 10pF | 1 | 「10」と表示 | \20 |
〃 | 15pF | 1 | 「15」と表示 | \20 |
〃 | 47pF | 1 | 「47」と表示 | \20 |
〃 | 0.1μF | 4 | 「104」と表示、25V品でも可 | @\30 |
ユニバーサル基板 | ICB-288G | 1 | サンハヤト | \150 |
プラスチックケース | SW-55 | 1 | タカチ電機工業 | \120 |
ビニルコード | 2m程度 | 配線とアンテナで使用 | \20 | |
電池ホルダー | 単5電池1本用 | 1 | \50 | |
単5電池 | 1 | アルカリタイプがお奨め | ||
スイッチ | 1 | 小型で気に入ったもの | ||
持っていると便利な工具 コアドライバー |
CD-15 | 太洋電機産業:goot |
揃える部品の全ての写真
上の写真は今回用いた半導体部品を写したものです。
左から2SK192A-Y、2SC2458Y、1SV101、2SC1906になっています。
2SK192A-Y、2SC2458Y、1SV101はほぼ同じ大きさです。
買い揃えるパーツの全てです。
回路図を思い浮かべると意外に少ないものです。
失敗を恐れずに製作してみましょう。
部品の概要
FET:電界効果トランジスタ:2SK192A-Y
FETは電界効果トランジスタのことです。FETは動作モードと用途(低周波用、高周波用、ミキサ用、スイッチング用など)に合わせて多くの種類があり、使い方はデータシートを確認する必要があります。
2SK192Aは接合型FETで高周波向けの物で多く出回っていますから入手は簡単です。
2SK192Aの動作はデプレッションタイプでゼロバイアスでドレイン電流が最大になります。
ゼロバイアス時のドレイン電流をIdssといい、バラツキがあり、2SK192Aではランク付けがあります。
今回の回路では消費電流を抑えたくYランクを使いました。
念のため下表に2SK192AのIdssのランクを記しておきます。
Idssランク Idss Y 3〜7mA GR 6〜14mA BL 12〜24mA
下図に2SK192Aのリード線の名称を記しておきます。取り付け方向に気を付けましょう。
トランジスタ:2SC2458-Y
2SC2458は、2SC1815と同一規格でありながら小型になっています。
2SC1815と同様にhfeでランクがあります。そのランクは下表の通りです。
hfeランク hfe O 70〜140 Y 120〜240 GR 200〜400 BL 350〜700
hfeとはトランジスタのhパラメーターの一つで電流増幅率を表します。コレクタ電流/ベース電流で求めることができます。
例えばhfeが200のトランジスタのベース端子に10μAを流したとき、コレクタ端子に流れ込む電流(流すことのできる電流)は10μA×200で2000μA=2mAとなります。
しかし、上の表を見るとhfeの値はバラツキが多く、hfeの影響を出きるだけ少なくするように回路を考えなければいけないのは理解できましょう。
下図に2SC2458のリード線の名称を記しておきます。取り付け方向に気を付けましょう。
トランジスタ:2SC1906
2SC1906は、トランジション周波数(fT)が1000MHzと高い周波数まで伸びていることで知られたトランジスタです。
トランジション周波数とは電流増幅率(hfe)が1となる周波数で、使用できる周波数の限界値です。
今回製作するFMワイヤレスマイクではFM放送帯域で77MHz〜90MHzであり、トランジション周波数が1000MHzもあるトランジスタを用いるのは勿体無いと思われますが部品の入手性を考慮してのことです。
ちなみに2SC1815のトランジション周波数は80MHzとなっています。既に紹介したFMワイヤレスマイクには2SC1815を用いており、本来は動作しないのではと思われますがコレクタ電流によって500MHzまで伸びていることがデーターシートで確認できます。
しかしながら、今回の2SC1906の箇所を2SC1815に置き換えると電波出力が低下するのが確認できます。
バリキャップダイオード:1SV101
バリキャップダイオードとは可変容量ダイオードのことで、バリキャップ、バリオードなどと呼ばれたりもします。
ダイオードにおいて逆方向に電圧を変化させたときにPN接合間の静電容量が変化することを利用した部品です。
電子同調回路や高周波PLL回路では欠かせない部品でしょう。
加える電圧の変化と静電容量の変化の割合や、静電容量で多くの種類があります。その中で1SV101はFM電子同調用として多く出回っているので入手は容易です。
1SV101は逆方向電圧が3Vの時は約30pF、9Vの時は約13pFとなっています。
逆方向の電圧が高いほど空乏層(PN接合の間)が広くなるため静電容量は小さくなります。
下図にリード線の名称を記しておきます。
バリキャップダイオードはカソードからアノードへと逆方向に電圧を掛けて使う部品ですから、取り付け方向に気を付けましょう。
コンデンサマイク(2端子)
ECMとは、エレクトレット・コンデンサ・マイクの略で、コンデンサマイクとも呼ばれます。
市場には2端子タイプと3端子タイプが存在します。その内部構成を下図に示します。
内部にはマイクエレメントのインピーダンス変換のためFETが内蔵されています。
そのFETの負荷抵抗が内蔵されているタイプが3端子のコンデンサマイクとなり、FETの負荷抵抗が内蔵されていないタイプが2端子のコンデンサマイクとなります。
上の内部構成を見れば2端子タイプでは別途負荷抵抗を用意してプラス電源に接続しなければいけないことは理解できましょう。
この内部構成が理解できれば、今回は2端子タイプのコンデンサマイクを使いましたが、3端子タイプのコンデンサマイクでも構わないのです。
3端子のコンデンサマイクを使う場合は前ページの回路図で抵抗を1つ省くことは理解できましょう(抵抗:R1)。
また、内部構成からコンデンサマイクには極性があることも理解できるでしょう。
2端子タイプでは出力端子とGND端子となります。
この見分け方については既に紹介したワイヤレスマイクの項でも記述しましたが、裏側の端子をじっくり見てみて周りの金属部と繋がっている方の端子がGND端子で、もう一方の端子(見た目でどこにも繋がっていない)が出力端子となります。
3端子タイプの極性については購入したパーツ屋で確認しておきましょう。
更にコンデンサマイクでは良く見掛けるΦ約9mmのタイプと、超小型のΦ約5mmのタイプがあります。
できれば良く見掛けるΦ約9mmのものをお奨めします。これは端子極性の目視し易さと、マイク感度からです。
超小型のコンデンサマイクではマイク感度が低下するようです(確認済み)。
FCZコイル:7S144
FCZコイルの入手は容易です。
7S144とは、7ミリ角の144MHzタイプのコイルであることを意味します。
類似品も出回っていますが、できるだけFCZ研究所製のコイルを用いて下さい。
それは類似品の144MHzコイルを使っての実験をしていないためです。
類似品では周波数調整範囲が異なってしまうことが予測されます。
基板にはICユニバーサル基板(2.54mmピッチ)を使いましたので購入したFCZコイル:7S144をそのまま基板の穴に挿入はできませんので、製作のページで説明する爪を曲げ加工して基板に挿入します。
3本のリード線がある側が1次巻線、2本のリード線がある側が2次巻線です。今回は2次巻線は使いません。
このことは現物で確認して下さい。見れば判ります。
マイクロインダクタ:10μH
マイクロインダクタとは小さなコイルのことです。
ここで用いる10μH(マイクロ・ヘンリー)のマイクロインダクタでは、できるだけ写真と同じ様な、抵抗と似た形状を探して下さい。
自分で探すよりもパーツショップの店員に「抵抗器と似た形状をしたマイクロインダクタは扱っていますか?」と直接尋ねた方が早いです。
10μHでは、茶黒黒銀とカラーの帯で値が表示していると思います。
写真では緑色をしていますが、メーカーにより色々な色があります。
右の写真は今回用いたマイクロインダクタと1/4Wカーボン抵抗を一緒に写したものです。大きさの参考にして下さい。
1/4W炭素皮膜抵抗(カーボン抵抗)
抵抗には安価な炭素皮膜抵抗を使いました。1/4Wでも充分小型に組み立てられます。
カラーの帯で抵抗値を表しています。→カラー抵抗表示
パーツショップによっては自分で小皿に取るところがありますので、他のカラー抵抗が混ざっていないか確認し、違った抵抗を取らないようにしましょう。希に似たカラーの抵抗が混じっていることがあるからです。
組み立てる時もカラーを良く確認して作業しましょう。
セラミックコンデンサ
高周波回路で多く使われている種類のコンデンサです。
耐圧は50Vとしますが、0.1μFについては25Vでも結構です。
写真に写しているように円盤状をしています。色は主に薄茶色、緑茶色があります。
100pF(ピコ・ファラッド)未満のコンデンサでは静電容量(単位はpF)がそのまま数値が記されています。
10pFであれば「10」と記されています。
100pF以上のコンデンサでは乗数を含めて3桁で表されています。単位はpFです。
0.1μF(マイクロ・ファラッド)は、100000pFですから、10×104で、「104」と記されています。
例えば「101」と記されているコンデンサがあれば、10×101で、100pF
例えば「222」と記されているコンデンサがあれば、22×102で、2200pF
例えば「473」と記されているコンデンサがあれば、47×103で、47000pF→0.047μF
例えば「334」と記されているコンデンサがあれば、33×104で、330000pF→0.33μF
となります。指数が苦手な方は第3数字の数だけ「0」を付けてpFとすればいいのです。
「562」と記されていれば、「56に0が2個で5600pF」という具合です。
p(ピコ)とμ(マイクロ)の変換については単位に付ける接頭記号ですから物理で勉強願います。
ユニバーサル基板:サンハヤト:ICB-288G
小さな回路を組む時に、私が好んで使う基板です。
小さくカットして使いますから、手持ちの余っているユニバーサル基板があれば活用してみましょう。
ICB-288Gの厚みは1.2mmと薄めですから通常のカッターナイフで両面に軽く切り込みを入れれば手で容易にカットできますが、怪我には充分ご注意下さい。
プラスチックケース:タカチSW-55
タカチ電機工業のプラスチックケースでSW-55というものを使いました。寸法は40*20*55mmです。
SW-55B(ブラック)とSW-55S(ライトグレー)の2つの色がありますから好みで選択して下さい。
パーツショップではケース・シャーシ部で直ぐに見つかると思います。
当然ながらケースはSW-55に限らず、貴方のお気に入りのケースに組み込んでも構わないのです。
ビニルコード
回路の配線とアンテナに使います。柔らかくて細いものが使い勝手がいいでしょう。
アンテナとして使うビニルコードの色は、使うプラスチックケースの色に合わせて選びましょう。
私はライトグレーのプラスチックケース:SW-55を使ったのでアンテナリード線もグレーにしてみました。
写真にはイエローとグレーの2色が写っていますが、ケースの内部配線(電池ホルダーとスイッチ)にイエローを使いました。
これは、これから写真を写しながら説明する上で色の違いを出したかったからです。
ケースもグレーで配線もグレーだと写真を撮っても判りづらいからね。
長さは2メートルあれば充分です。
電池ホルダー:単5電池1本用
単5電池1本用の電池ホルダーを1個使います。
単5電池
単5電池は小さくて可愛いです。1本使いますが2本単位で販売されていると思います。
出来ればアルカリタイプの電池をお奨めします。
スイッチ
目立たないスライドスイッチがお奨めですが、1個の穴を開けるだけで取り付けられるトグルスイッチが使い易いでしょう。
貴方の気に入った小さなスイッチを見つけてみましょう。
大きいとプラスチックケース:SW-55に収めることが出来ないので注意です。
スイッチを取り付ける意思が無い場合は単5電池をセットしたり、外したりして使います。
盗聴器として使う場合はむしろスイッチは邪魔かも知れません。
用意すると便利な工具:コアドライバー:CD-15
コアドライバーとは高周波回路に用いるコイルのコアやトリマーコンデンサを調整する専用のドライバーのことで、ドライバーの先端が非金属製でできているものです。
今回はFCZコイル:7S144のコアを回して発射する電波の周波数を調整するために使いますが、ここに一般の金属製のドライバーを用いるとなかなか狙った周波数に調整できません。
このことは今回の回路に限らず、高周波回路の調整で全般に言えることです。
これはコイルやトリマーの調整中に透磁率や浮遊容量が変動してしまうからです。
高周波回路を実践されている方には必要な工具といえましょう。
太洋電機産業(gootで知られる)のコアドライバー:CD-15はドライバーの先端がセラミック製で硬くて丈夫でお奨めの商品です。