白色LED点滅回路...page.1/4


はじめに...

3〜4Vの電圧を加えないと点灯しない白色LED(発光ダイオード)を乾電池1本の1.5Vで点灯させる回路はインターネットや書籍で多く紹介されていますので、ここでは乾電池1本の1.5Vで点滅する回路を作ります。

点灯させるだけでは、白色LEDや電気回路に知識も関心もない人からは、ムギ球(豆電球)を点灯させたことと同じで、家族、友人、恋人に見せても「ふーん」と言って終わるか、最悪の場合は「くだらない物を作って...」と言われる恐れがあります。

チカッ...チカッ...と時々光る様子は可愛いし、小型に作ってドアノブ付近や階段のスイッチ、トイレのスイッチ付近に設置すれば暗闇でもチカチカ光る目印ランプとして使えて重宝します。
単4電池1本で10ヶ月以上も稼動します。



概要

はじめに記述したように、1.5ボルトで白色LED(青色LED)を光らせるには回路に工夫が必要です。
コイルを用いた昇圧回路は他のサイトや書籍に多く紹介されているので、私はコンデンサの充放電により白色LED(青色LED)を光らせるのに必要な電圧を発生させることとしました。
電池とコンデンサを並列に接続して充電し、放電時は電池とコンデンサを直列に接続して電池よりも高い電圧を作り、白色LEDを発光させ、この動作を繰り返します。



回路の説明と回路図

コンデンサの充放電で電源電圧よりも高い電圧を得るには、コンデンサに電源電圧を充電させておき、充電し終えたコンデンサを直列にさせることで可能です。
白色LED(青色LED)を点灯させるには3.5V〜4.5Vあれば充分ですから、図1に示す回路を組めば一瞬だけ点灯します。
しかし、3個のコンデンサを並列にして充電し、点灯時は3個のコンデンサを直列にしなければならない電気回路を考えるのは容易ではありません。
図2は、2個のコンデンサと、電源を併用した場合です。この場合も図1と同じことであり一瞬だけ点灯します。

図1
図2


図3は、図2と同等で、充電時は並列に、放電時(LED点灯時)は2個のコンデンサと電池が直列になるようにした回路です。
図3において、
2つのスイッチ:SWがOFFの時はコンデンサ:Cは2本の抵抗:Rを介して電源が充電され、
2つのスイッチ:SWがONの時は2個のコンデンサ:Cと電源が直列となってLEDに加わり放電されることを理解してみて下さい。

図3


図3のスイッチをトランジスタに置き換えて、時々トランジスタをONにさせれば回路は完成です。
ここで問題になるのがスイッチ(トランジスタ)のONタイミングです。
図3ではコンデンサを充電する際は2本の抵抗:Rを介しますので充電に時間がかかります。
短時間に放電動作させてもコンデンサの充電が不充分であればLEDは点灯しません。
抵抗を介してコンデンサに充電させた場合のコンデンサの両端電圧は次式で求まります。




上の式より、抵抗:Rとコンデンサ:Cの積で求まるCR秒では電源:Eの約63%が充電され、3CR秒後は電源:Eの約95%が充電されます。

図3では抵抗:Rを2本介しますから、6CR秒で約95%の充電となります。この程度の充電時間は欲しいところです。

完成した回路図を下図に示します。
図3で示すスイッチに該当するトランジスタがTr3とTr4です。
回路の充放電部では抵抗:Rに1KΩ、コンデンサ:Cに100μFとしましたから、95%の充電に要する時間は0.6秒ですが、余裕をみて約1秒の間隔で充電・放電を切り替えました。

尚、放電時はLEDが一瞬「ピカッ」と光り、瞬時にコンデンサの放電が行なわれます。
(このことは図1、図2で実験をすると解ります)

ですから、コンデンサの放電が瞬時に終了してしまうのにTr3、Tr4がまだON状態となっている時間は無駄なことです。
この無駄な時間は充電動作させた方がいいに決まっています。

発振回路では充電動作(Tr3、Tr4をOFF)を行なう時間は長めに、放電動作(Tr3、Tr4をON)を行う時間は短めとした繰り返しが理想なことは理解できましょう。
このような動作に適した発振回路(Tr1とTr2で構成)を使っています。

LEDと直列に接続される抵抗:10ΩはLEDの電流制限として挿入しています。

回路図


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