MP3プレーヤー...page.11/12
このページでは小型(ポータブル)で作る時のヒントと、MPEGデコーダーICにVS1011を使った場合について記述します。
●小型化へのヒント
前項までの回路をヘッドホン専用として携帯できるよう小型に作るのは優しいことです。
ただし、IC工作が慣れていない場合は、前項までの回路でMP3が再生できたという経験を得てから挑戦してみることをお勧めします。
これは、完全自作でMP3プレーヤーが出来たという自信がつくことと、小型化して万一動作しなかった場合に何処に不良箇所があるのか確認が容易になるからです。
とは言っても予算の関係でいきなり小型に挑戦する方もいるでしょう。
使う主要ICはたったの2個だけですから回路図をよく見て組み立てて下さい。
使うケースは貴方のお気に入りのケースを見つけてみて下さい。乾電池2本(電池ボックス)、スイッチ類、ヘッドホンジャック、SDカードソケット、組み立てに使う基板、使うパーツ全てをケースに詰め込んでフタが閉まれば、そのケースに収めることが出来ると思って間違いありません。
どう組み立てるかは貴方のアイデア次第ということです。そしてどう作業を進めればいいのか事前に計画しておくことです。
小型化は電池での稼動が前提となります。
電池は使っている間に電圧が低下してくるので動作が不安定になる手前で自動的に電源が切れるようにプログラムしなければなりません。
紹介しているファームウェアには、電源ON直後と、曲間に電源電圧を確認し、低下しているようであれば警告音又は自動に電源が切れるようにプログラムしてあります。
電源電圧確認の端子はPIC18F252の2pinです。
既に紹介(据え置きタイプ)した回路では電源にACアダプターで稼動させているので、電源電圧の低下を確認する必要はありませんから、PIC18F252:2pinは抵抗:10KΩで常時電源に接続しています。
そして、完全に電源を自動に切るようにした設定電圧は2.1Vとしました。
これはチャージポンプIC:MCP1252Xに合わせています。
MCP1252は、入力電圧が2.1V〜5.5Vであれば正常に3.3Vを供給できるスイッチングレギュレーターICです。
電源スイッチの役割をする2SA1382はCE間の飽和電圧が小さいので考慮しませんでしたが全く問題なく3.3Vを供給し、電池電圧が2.1Vスレスレまで大丈夫でした。
以上、プログラムでは2.1Vで自動シャットダウン(切れる前に「ポポポ」と警告音)させていますが、2.2V以下では電源を切らずに「ポッ」と警告音を発生させるようにしています。
製作するのは貴方の課題として頂き、下記に回路図と実際に作ってみた実機を写真で載せますので参考にして下さい。
抵抗やコンデンサは小型のものを使うのは当たり前で、MCP1252部のハンダはVS1001Kよりも少し細かな作業となります。
私はMCP1252Xをある程度の個数を購入し、5個目で納得できるハンダができました。たった8本のICですが本当に細かいのです。
私は単4電池2本で作りました。
尚、回路電流は平均55mAです。音は結構いいと思いますがヘッドホンによりましょう。
できるだけ小型のパーツを用いる。
電解コンデンサは耐圧4V又は6.3Vの超小型タイプ。
抵抗は全て1/6W品です。
ハンダしにくいチップ部品は使いませんでした。
上は、PICを製造しているマイクロチップテクノロジー社のチャージポンプIC:MCP1252X
本当に小さいので余計に購入することを勧めます。
空中配線も行なう。
基板は左から電源部、PIC18F252、VS1001Kとした。
裏はスパゲッティ配線(そうめん配線か)になってしまう。
SDカードはソケットごとコネクターで脱着し、電池ボックスの上に配置。
95×65×23mmの透明プラケースに収めました。
●MPEGデコーダーICに"VS1011"を使うとき
製作のページではMPEGデコーダーICにVS1001を使って記述しましたが、後継品であるVS1011も使えます。
回路図と作り方は同じですが、PIC18F252に書き込むファームウェアが異なりますのでご注意下さい。。
尚、VS1001/VS1011いづれも音質に変化はございません。
VS1001 | VS1011 | |
概観は変わらない ※SOPタイプ |
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